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トピック:『アラブ世界とブルブル』
このサウジアラビア童謡(どうよう)の原題は『ブルブル(ナイチンゲール)』です。ヨーロッパやアラブ世界では、古くからナイチンゲールが美しい声の持ち主として知られてきました。ナイチンゲールは森に住む野鳥のひとつで、夜にも鳴くことから日本語では「サヨナキドリ」もしくは「ヨナキウグイス」とよばれています。
ナイチンゲールは茶色い体をしたスズメの仲間で、ヨーロッパやアフリカ北部などに生息しています。春にはさかんに鳴き始めます。そのことから、ナイチンゲールの生息する地域(ちいき)では、この鳥が春のおとずれの象徴(しょうちょう)とされています。その意味では、ブルブル(ナイチンゲール)は日本にいるウグイスに相当するでしょうか。
アラブ世界でも、このブルブル(ナイチンゲール)は文学作品に数多く登場します。そうした作品の中でも、ブルブル(ナイチンゲール)は美しい声を人々に聞かせています。アラブ世界で、なぜ美しい声の持ち主が「ブルブル」というニックネームをつけられるのかは、このようなことから、みなさんもお分かりになると思います。
夜以外にも早朝といった、うす暗い時間帯に鳴くこの鳥は、森の中でも一番の早起きです。このサウジアラビアの童謡(どうよう)でブルブル(ナイチンゲール)が森のみんなを起こしているのは、うす暗い夜明け前から元気に鳴き始めるからなのです。この童謡を聞くと、ブルブル(ナイチンゲール)のすてきな歌で始まる、緑あふれる春の明るい一日が思いうかべられます。
しかし、このようなブルブル(ナイチンゲール)ですが、生息地から外れている日本では、あまりなじみのない鳥となっています。「ナイチンゲール」と聞けば、かの有名な看護婦(かんごふ)さんを思いうかべる人の方が多いのではないでしょうか。そして、美しい声を持った鳥と聞けば、真っ先にカナリヤを連想されると思います。
このカナリヤは、カナリヤ諸島(しょとう)原産の鳥で、原産地以外では完全な飼(か)い鳥として飼育(しいく)されています。ヨーロッパの探検家(たんけんか)たちが持ち帰った野生のカナリヤが品種改良され現在(げんざい)に至(いた)っていますが、今ではヨーロッパだけではなく日本などで広く愛される鳥となりました。
そこで、この[こどものうた]では、そうしたカナリヤと日本の結びつきの強さを考え、原題『ブルブル(ナイチンゲール)』を『カナリア』と訳(やく)することにしました。
ちなみにこのカナリヤですが、ナイチンゲール同様、春になるとオスの鳥がきれいな声でさかんに鳴くようになります。ところが、ナイチンゲールや日本におけるウグイスなどがそうであるように、春が過(す)ぎてしまうと、そのうっとりするような鳴き声はどこかへ行ってしまうのです。このことから、日本では「歌を忘(わす)れたカナリヤ」という言葉がよく使われるようになりました。
執筆(しっぴつ):
マキ キミノ フクウラ
アラブ・イスラーム学院 学生
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