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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第39回 ヤマーマと雛鳥

ヤマーマと雛鳥  一羽のヤマーマという鳥と、二羽のひなが、木の枝(えだ)の上に巣を作って暮(く)らしていました。
 ある日、それを見つけた人々は、その二羽のひなを巣から取り上げ、手のひらにのせました。するとヤマーマの親鳥は、ひなを取り上げた人々の頭の上で、一生懸命(けんめい)羽ばたき始めたのです。

 それはまるで、人間と戦う力を持たない親鳥が、どうにかしてひなたちを返してもらおうと、必死でお願いしているような羽ばたき方でした。親鳥の心は、ひなと引きはなされた悲しさで、ひきちぎられそうだったのです。

ヤマーマと雛鳥

 そこに、預言者(よげんしゃ)ムハンマドがやって来て言いました。
 「だれがひなたちを取り上げて、この親鳥を苦しめたのですか? ひなをもどしてやりなさい。」
そこで人々が放してやると、ひなたちは喜んで巣に帰っていきました。

 それからムハンマドは、本当のやさしさとは、自分の周りの人たちに対するものだけではなく、知らない人たちや動物たち、そしてすべてのものに対するものであることを、人々に教えたのでした。

【ハキムのひとこと】

ハキム

 ムハンマドが教えた「本当のやさしさ」とは、相手がだれであれ、変わることのないやさしさのことです。相手を知っていてもいなくても、人間であっても動物であっても、そして相手がおさなくても、わかくても、年を取っていても、また男であっても女であっても……。

 

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