昔アラビアに、アブドッラーという人がいました。
ある日アブドッラーは、羊を一頭屠(ほふ)りました。召(め)し使いの少年はその羊の皮を剥(は)いで肉を切りました。
そこでアブドッラーは少年にこう言いつけました。
「それが終わったら、となりの家から配りなさい。」
そこにいた客がそれについてたずねると、アブドッラーは、預言者(よげんしゃ)ムハンマドがかつて、隣人(りんじん)や近所に親切にするよう教えられたのだと答えました。
預言者ムハンマドは、近くにおなかをすかせた人がいると知りながら満腹(まんぷく)になることを戒(いまし)め、たとえ少しでも分けるよう教えました。
そして仲間の一人にこう言ったのです。
「スープを作る時には、少し水を足しなさい。そしてあなたの隣人にそれを分けてあげなさい。」
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