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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第29回 本当の強さ

餌(えさ)を担(かつ)いで   

 昔、アラビアに、ムハンマドという神様の預言者(よげんしゃ)がいました。
 ある日、ムハンマドが仲間といっしょに通りを歩いていると、男たちが岩のような大きな石の前に集まっているのが見えました。

 そこで仲間といっしょに近くへ寄(よ)ってみると、男たちは順番に一人ずつ、その大きな石を両うででかかえ上げ、しばらくするとそれを地面に下ろしています。

餌(えさ)を担(かつ)いで

 そこでムハンマドが仲間に、かれらは何をしているのかとたずねたところ、男たちはその大きな石を持ち上げて、自分の強さや力を見せ合っているのだというのです。

 それを聞いてムハンマドは仲間にこう言いました。

 「かれらのうちで、だれが一番強い男か教えましょうか? それは怒(おこ)ったときに自分をおさえられる人です。」

【ハキムのひとこと】

ハキム

 何も悪いことをしていないのに、ひどいことをされたり言われたりした時、人間は腹(はら)を立て、怒(いか)りを感じます。それはだれでも同じです。その時、怒りにまかせて相手に同じようなことをしたり言ったりせず、自分をおさえることは大変むずかしいことですね。それは岩のような大きな石を持ち上げることよりも、もっとむずかしいことです。
 だからこそ、重い石を持ち上げる人よりも、怒りをおさえる人の方が、より強く立派(りっぱ)なんですね。

 

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