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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第22回 「隣人(りんじん)の値打ち」

隣人(りんじん)の値打ち   

 昔アラビアに、アブドッラーという学者がいました。

 アブドッラーには貧(まず)しい隣人(りんじん)がいたのですが、ある時その隣人(りんじん)はくらしに困(こま)り、とうとう家を売りはらわなければならなくなりました。そこでその家を買いたいという人が家の値段(ねだん)をたずねると、かれは2000ディナールだと言いました。しかし買い手の方はなっとくせず、「この家は1000ディナールほどのものではないか。」とせまりました。
隣人(りんじん)の値打ち

 するとかれはこう答えたのです。
 「あなたの言うとおりです。しかしわたしは家の代価(だいか)として1000ディナールを、そしてアブドッラーの隣人(りんじん)になることの代価(だいか)として1000ディナールをいただきたいのです。」
 アブドッラーが隣人(りんじん)であるかれにいつも親切にしてくれていたので、かれは、心やさしいアブドッラーの 隣人(りんじん)となる値打(ねう)ちは、家の値打(ねう)ちと同じほどだと思ったのです。

 その話を聞いたアブドッラーは、隣人(りんじん)がそれほどまでに自分を よく思ってくれていることをうれしく思い、家の代金を隣人(りんじん)にあたえて、こう言いました。
 「ここにとどまりなさい。家を売ってはなりません。」

 

【ハキムのひとこと】

ハキム

 人は外で多くの用事をこなし、家に帰って休みます。ですから家やその周りには、安心して休めるふんいきが必要です。もしも隣人(りんじん)がとてもやさしくしてくれて、困(こま)った時にはおたがいに 助け合うことができるならば、いつも心が安心していられます。
 しかし、もしも隣人(りんじん)からいつもめいわくを受けたり、いやな目にあったりすれば、その住まいはたちまち、心が落ち着かない場所に変わってしまいます。だから良い隣人(りんじん)を持つことは、良い家を持つことと同じほどの値打(ねう)ちがあるのです。

 

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