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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第21回 「ターバンとロバ

ターバンとロバ 

 昔アラビアに、アブドッラーという人がいました。

アブドッラーはある時、友人たちと長旅に出ました。
頭にはイマーマと呼(よ)ばれるターバンを巻(ま)き、ラクダに乗っての旅でした。そして、背(せ)が高くてゆれが大きいラクダでの旅につかれた時に、休息を取って乗り換(か)えるため、ロバを一頭連れて行きました。

 旅のとちゅう、アブドッラーはラクダに乗りつかれたので、ロバに乗り換えました。すると向こうから、あるベドウィンの男がやってきました。
アブドッラーが、見覚えのあるその男に向かって、「あなたは〇〇のむすこさんではありませんか?」とたずねると、男は「そうです。」と答えました。
するとアブドッラーは急いでロバから降(お)り、頭のターバンをはずして、
「このロバに乗ってください。それからこのターバンを持っていきなさい。」と言って、ロバとターバンをわたしました。

ターバンとロバ

 それを見ていた仲間は、砂漠(さばく)での長旅のために必要なその2つを男に差し出したアブドッラーに驚(おどろ)き、言いました。
「休息のためのロバと頭をくくるターバンを、あのベドウィンの男にあげてしまったなんて!!」
するとアブドッラーは仲間たちにこう明かしました。
「『いちばんの孝行者(こうこうもの)は、父親が亡(な)くなってからでも、かれが親しくしていた人の家族によくすることです。』という預言者(よげんしゃ)ムハンマドの言葉を、私は聞いたことがあります。あの人の父親は、ウマル(注*)の友人だったのです。」

*注:ウマルはアブドッラーの父。

【ハキムのひとこと】

ハキム

 両親を愛しているなら、両親が大事にしているものを自分も大事にしますね。それと同じように、両親が大切にしている友人やその家族によくすることは、両親を大切にすることです。

だから両親が亡(な)くなった後でも、かれらがいたときにそうしたように、その友人や家族を大切にしていくことは、私たちの親孝行(おやこうこう)の一つなのです。

 

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