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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第20回 「お母さんの心

お母さんの心 

 昔アラビアに、アリーというとてもお母さん思いの人がいました。かれは心からお母さんを愛し、とてもよく世話することで知られていました。

 しかし、そんなお母さん思いのアリーなのに、意外にもかれはお母さんといっしょには食事をしないのだと知って、人々はとても驚(おどろ)きました。 そしてそれにはどんなわけがあるのだろうと人々は不思議に思い、そのわけをアリーにこうたずねてみました。

「あなたは人々のうちでだれよりも親孝行(おやこうこう)な人だ。それなのに、お母さんといっしょには食事をしないなんて!?」

お母さんの心

 するとお母さんを心から愛するアリーはこう答えました。 「母が目をやった料理に、わたしが先に手をのばしてしまい、 親不孝(おやふこう)をしてしまうのではないかと恐(おそ)れるからです。」

【ハキムのひとこと】

ハキム

 アリーは、「お母さんが手をのばした料理」ではなく、「お母さんが目をやった料理」と言っています。 かれは、たとえお母さんの小さな心の動きでも、自分がそれに気付かず、じゃましてしまうことを恐(おそ)れたのです。

 どんな小さなことでも、お母さんがいちばん喜ぶようにしてあげたい……お母さん思いのアリーはいつでもそう願っていたんですね。

 

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