昔アラビアに、アリーというとてもお母さん思いの人がいました。かれは心からお母さんを愛し、とてもよく世話することで知られていました。
しかし、そんなお母さん思いのアリーなのに、意外にもかれはお母さんといっしょには食事をしないのだと知って、人々はとても驚(おどろ)きました。
そしてそれにはどんなわけがあるのだろうと人々は不思議に思い、そのわけをアリーにこうたずねてみました。
「あなたは人々のうちでだれよりも親孝行(おやこうこう)な人だ。それなのに、お母さんといっしょには食事をしないなんて!?」

するとお母さんを心から愛するアリーはこう答えました。
「母が目をやった料理に、わたしが先に手をのばしてしまい、
親不孝(おやふこう)をしてしまうのではないかと恐(おそ)れるからです。」
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