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アラビアもよう
アラブのどうわ


 ■アラブのどうわ 第16回 「残ったもの

残ったもの 

昔アラビアに、ウルワという人がいました。

ある時ウルワは、片方(かたほう)の足が病気にかかり、医者にみてもらいました。

すると足をみた医者は、それは大変重い病気で、その足を切ってしまわなければ、病気が体全体に広がってしまうと言いました。ウルワは悲しく思いましたが、がまんして神様に祈 ( いの ) り、その不幸を神様がよいものでつぐなってくださるように願って、足を切ってもらいました。

残ったもの またある時、ウルワの子どもたちの一人が過(あやま)って家ちく小屋に入ってしまい、その子は家ちくにおそわれ、死んでしまいました。

ウルワはその子が死んでしまったと知ると心から悲しみましたが、神様に向かってこう言いました。

「神様、わたしにはかつて2本の手と2本の足がありましたが、あなたはその中の1本をお取りになり、残りの3本をわたしに残してくださいました。だからあなたに感謝 ( かんしゃ ) をささげます。またかつてわたしには4人の子どもたちがありましたが、あなたはその中の1人をお取りになり、残りの3人をわたしに残してくださいました。だからあなたに感謝 ( かんしゃ ) をささげます。」

【ハキムのひとこと】

ハキム

 何かを失ったりどこか体の部分が傷(きず)ついたりすると、わたしたちはだれでもそれを悲しみ、つらい気持ちになります。

  でも失ったものではなく、残されたもののことを考えれば、自分にはまだできることがたくさんあることがわかります。そう思えば、辛抱(しんぼう)は前へ進むための希望に変わります。

  失ったものを思ってなげくばかりではなく、残ったものを数え上げて神様に感謝(かんしゃ)し、つらい辛抱(しんぼう)を希望に変えることを、ウルワはわたしたちに教えてくれているんですね。

 

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