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アラビアもよう
まほうのじゅうたん


 ■まほうのじゅうたん 第11回 「スーダン」


 アラビアの国のひとつ、アフリカで最も大きいスーダンの紹介(しょうかい)です。
 歴史や人々の暮(く)らし、食文化などについて知ることができます。


国旗

国名 スーダン共和国
首都 ハルトゥーム
面積 250万3890平方キロメートル(日本のおよそ7倍、アフリカ最大)
人口 3,361万人(2003年、日本のおよそ4分の1)
人種 アラブ人(75%)、その他多数のアフリカ系(けい)諸民族(しょみんぞく)
言語 アラビア語(公用語)、英語、その他
宗教(しゅうきょう) イスラーム教(75%)、キリスト教、伝統(でんとう)宗教
時差 日本より7時間おくれ
政体(せいたい) 共和制(きょうわせい)

位置 位置

<位置>
 スーダンはアフリカ大陸北東部に位置し、エジプトの南にあるアフリカ最大の国で、北回帰線のすぐ南から赤道のすぐ北まで広がっています。エジプト、リビア、チャド、中央アフリカ、コンゴ民主共和国(旧〈きゅう〉ザイール)、ウガンダ、ケニヤ、エチオピア、エリトリアといった国々と接(せっ)しています。東は紅海(こうかい)に面し、480キロメートルの海岸線を持っています。


<国名>
 スーダンという国名は、昔のアラブ人が当地のことをアラビア語で「ビラード=ッ=スーダーン」と呼(よ)んだことに由来しています。つまり、「黒人の地」という意味です。首都ハルトゥームは、アラビア語で「象の鼻」を意味します。


首都ハルトゥームの中心
首都ハルトゥームの中心


<地理と自然>

 国の大部分は広大な平原で、その中央をナイル川が通っています。
 東の隣国(りんこく)エチオピアから下ってくる青ナイル川と、南の隣国ウガンダ以南の国々の湖沼(こしょう)地帯から流出する白ナイル川が、スーダンの首都ハルトゥームで合流し、それがナイル川の本流となってエジプトへと流れこんでいます。

 北部にはヌビア砂漠(さばく)、西部にはマッラ山脈、中部には河川地域(かせんちいき)、そして南部にはアラビア語で「アル=スッド(障壁〈しょうへき〉)」と呼(よ)ばれる広大な沼沢地(しょうたくち)が広がっています。またケニアやウガンダ、コンゴ民主共和国、中央アフリカと接(せっ)する南部の国境(こっきょう)地帯は高地であり、ウガンダ国境のキヌエティ山(3187メートル)がスーダン最高峰(さいこうほう)です。

 このようにスーダンは、海岸、砂漠(さばく)、ナイル川、山脈、湿地(しっち)、乾燥(かんそう)地帯、高原、サバンナ、熱帯雨林など、大変多様な景観に恵(めぐ)まれた国です。


白ナイル、青ナイル合流地点 手前が白、奥が青(首都ハルトゥーム近く)
白ナイル、青ナイル合流地点
手前が白、奥が青(首都ハルトゥーム近く)


<気候>
 スーダンの気候はおおむね高温で、降雨(こうう)は北へいくほど減少(げんしょう)します。
 ハルトゥームなどの北部は砂漠気候で雨はほとんど降(ふ)りません。季節によって気温差が激(はげ)しく、冬の夜間には4℃ぐらいまで下がり、夏の日中は43℃以上になることもしばしばです。

 中部はサバンナ気候、赤道に近い南部は熱帯雨林気候で長い雨季があり、熱帯林が繁茂(はんも)しています。そのため多くの野生動物が生息しています。
 またスーダンではアラビア語で「ハブーブ」と呼(よ)ばれる砂嵐(すなあらし)がよく発生し、時には交通機関に影響(えいきょう)が出ることもあります。

砂嵐
砂嵐


<文化>
 スーダンは北アフリカの文化と南アフリカの文化とが融合(ゆうごう)する国です。「スーダンはアラブとアフリカの架(か)け橋」とも言われます。サハラ砂漠(さばく)の砂地(すなち)とアフリカ東部のサバンナを合わせ持ち、首都ハルトゥームに代表されるアフリカ北部のアラブ世界と、南部の民族文化とを融合させた国でもあります。

 かつては何千年にもわたり、アフリカ南部と地中海地方を結ぶ通商のかなめでもありました。

 スーダンには全部で570もの民族集団があり、言語も100をこえると言われています。
またスーダンの人々は、たいへん温厚(おんこう)なことでよく知られています。そのおだやかな笑顔(えがお)や、自然災害などの危機(きき)にひんしても進んで人と分かち合うやさしい性質(せいしつ)は、人々に強い印象をあたえます。

笑顔がすてきなスーダン人 (※)
笑顔がすてきなスーダン人

<人々の暮(く)らしと産業>
 スーダンの主産業は農業で、労働人口の60%が農業に従事(じゅうじ)しています。主な作物は、綿(めん)、小麦、サトウキビ、アワ、落花生、ゴマ、モロコシ、ナツメヤシ、アラビアゴム、ハイビスカスのハーブなどです。ゴマの生産高は世界4位、モロコシは6位、アワは10位です。

 アラブ人は落花生を「フール・スーダーニー(スーダンの豆)」と呼(よ)んで親しんでいます。またゴマはすでに紀元前3000年にはナイル河畔(かはん)で農耕栽培(のうこうさいばい)されていたと言われています。

 青ナイル川と白ナイル川の間にはジャジーラトゥーティーと呼ばれる肥(ひ)よくな地域(ちいき)があり、ナイル川沿(ぞ)いと共に、国内で最も農業に適(てき)した土地です。日本には、綿と天然ゴムを輸出(ゆしゅつ)しています。

 またスーダンでは牧畜(ぼくちく)もさかんで、羊やヤギ、牛、ラクダなどが飼育(しいく)されています。北部の砂漠(さばく)地帯では各地でよく大きなラクダ市が開かれます。

 そしてスーダン中部や南部のアフリカ系(けい)諸民族(しょみんぞく)の中には多くの遊牧民がいます。降水(こうすい)量の少ない地域の民族は牧畜のために水や雨を求めて季節移動し、また沼沢地(しょうたくち)や川沿いに暮(く)らす民族は、川の水があふれると反対に高地のサバンナへと移動したりします。

スーダン南部の遊牧民族 (※)
スーダン南部の遊牧民族

<歴史と古代遺跡(いせき)>
 古代スーダンは北部ヌビア地方のナイル川沿(ぞ)いに始まり、発展(はってん)しました。当時クシュと呼(よ)ばれていたヌビアは、紀元前2600年ごろにエジプト王国に吸収(きゅうしゅう)されますが、その中で繁栄(はんえい)し、エジプトの大いなる遺産(いさん)とも言われました。

 そして後にクシュの王たちはファラオの土地を支配(しはい)し、クシュの首都であったメロウェへと王国の中心を移(うつ)します。それによって、クシュ独自(どくじ)の文化とエジプトの伝統(でんとう)とを融合(ゆうごう)した、すばらしい文明を発達させました。鉄の文明とメロウェ文字の発明でも知られています。

メロウェのピラミッド
メロウェのピラミッド


 サワーキンの遺跡
サワーキンの遺跡

 16世紀になると、黒人のフンジ族がセナール王国を建設(けんせつ)しました。かれらはアラビア、エジプト、モロッコから伝道団(だん)を招(まね)き入れ、イスラームとアラビア語を取り入れました。

 そして17世紀以降(いこう)になると、西部の肥(ひ)よくなマッラの丘(おか)に、同じイスラーム国であるフール王国(ダール・フール:つまりフールの国)が誕生(たんじょう)しました。
 その後セナール王国はエジプトに支配(しはい)され、後にイギリスの支配を受けますが、1956年にはエジプト・イギリスの共同統治(とうち)から独立(どくりつ)を果たしました。

食文化
 主食はパンや、トウモロコシなどの粉(こな)をとかして焼いたクレープ状(じょう)の「キスラ」という食べ物です。落花生の産地らしく、しばしば料理にもピーナッツバターを使います。揚(あ)げナスをつぶしてピーナッツバターやレモン汁(じる)を加えて作るサラダがあります。

 アラブ文化圏(けん)でもあるので、トマトソースで肉や野菜、豆などを煮(に)こむ料理も多いですし、エジプトやアラブ諸国(しょこく)同様、モロヘイヤスープやタアメーヤ(ソラマメのコロッケ)も食されます。「シャワルマ」というハンバーガーのような食べ物も有名で、日本でもスーダンの人たちが各地でお店を出しており、とても人気があります。

 飲み物では「カルカディ」という花茶がよく知られています。カルカディはハイビスカスの一種で、サバタリファという花です。乾燥(かんそう)させたものを煮(に)立て、砂糖(さとう)であまく味付けします。カルカディ茶はあまずっぱくておいしいだけではなく、血圧(けつあつ)を下げる効果(こうか)もあり、ミネラルや天然クエン酸(さん)を豊富(ほうふ)にふくむ、健康と美容(びよう)にとても良い飲み物です。冬はホットでハーブティーとして飲み、夏は冷やして紅色(べにいろ)の美しいジュースとして飲んだりします。

タアメーヤ (※)
タアメーヤ

衣服
 男性の伝統(でんとう)的な衣服は白い「ジャッラービーヤ」で、ほかのアラブ諸国(しょこく)にも類似(るいじ)する形が見受けられるものですが、むしろ特徴(とくちょう)的なのは頭にかなり分厚(あつ)く巻(ま)く、真っ白な「ターキーヤ」と呼(よ)ばれるターバンです。

 長身のスーダン人の褐色(かっしょく)の肌(はだ)に、真っ白なジャッラービーヤと、同じく真っ白なターキーヤはよく映(うつ)り、見る人に清潔(せいけつ)な印象をあたえます。

 女性の伝統的な衣服は、「トーブ」と呼ばれる美しい布を頭の先からつま先まで巻きつけたものです。各自が思い思いの美しい色の布(ぬの)を大きく身にまとってゆったりと歩く姿(すがた)は、大変優雅(ゆうが)なものです。

白いジャッラービーヤとタキーヤを身につけたスーダンの男性 (※)
白いジャッラービーヤとタキーヤを
身につけたスーダンの男性

あざやかな色のトーブを身にまとうスーダンの女性 (※)
あざやかな色のトーブを身にまとう
スーダンの女性

<自然災害(さいがい)と砂漠(さばく)化>
 スーダンは豊(ゆた)かな自然を有する国ですが、残念なことに、歴史的に長いかんばつや洪水(こうずい)などの自然災害(さいがい)の被害(ひがい)に遭(あ)ってきた国でもあります。1988年の大洪水では150万人が家を失いました。年々砂漠(さばく)化も進んでおり、国民生活に大きなダメージをあたえています。

 スーダンはこれらの厳(きび)しい自然災害や長年の内戦によって、国の内外に難民(なんみん)を抱(かか)える国でもあります。

<野生動物>
 熱帯雨林の南部には森林地帯があり、ライオン、キリン、象などの野生動物も生息しています。

南部の野生動物 南部の野生動物

南部の野生動物 (※)

南部の野生動物 (※)







スーダン イメージ画像






(※)Photo Courtesy of sudaneseonline.com

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