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アラビアもよう
まほうのじゅうたん


 ■まほうのじゅうたん 第6回 「シリア」


 アラビアの国のひとつ、シリアの紹介(しょうかい)です。
 歴史や文化遺産(いさん)、人々の暮(く)らしなどについて知ることができます。


国旗

国名

シリア・アラブ共和国 (通しょう:シリア)

首都 ダマスカス
面積 18万5000平方キロメートル (日本のおよそ半分)
人口 1800万人
人種 アラブ人(およそ90%)、クルド人、アルメニア人、アッシリア人、トゥルクマーン人、北コーカサスを故国(ここく)とするチェルケス人ほか
言語 公用語はアラビア語、外国語としては英語とフランス語が使われる。
宗教(しゅうきょう) イスラーム教85%、キリスト教13%ほか
時差 日本より7時間おくれ
政体(せいたい) 共和制(きょうわせい)

<位置>
 シリアは西アジアの南に位置し、地中海東沿岸(えんがん)に面しています。北はトルコ、東はイラク、西はレバノンと地中海に接(せっ)しています。南はヨルダンに接していますが、ゴラン高原はいまだにイスラエルに占領(せんりょう)されています。

位置 位置


<気候>
 シリアの気候は、地中海沿岸部の地中海性気候と、内陸部の砂漠(さばく)性気候に大別できます。夏(4月あるいは5月〜10月)は暑さが厳(きび)しく、多くの場所で平均(へいきん)気温が30〜35℃、また冬(11月〜3月)はとても寒く、雪が降(ふ)ることもあります。春と秋がとても短く、また夏と冬の気温差が大きいのが特ちょう的です。だいたい1年を通して乾燥(かんそう)していますが、場所によっては冬に雨が降ります。内陸の砂漠地帯では夏に50℃近くに上がることもあります。
 
<地理>
 西は地中海に面し、海岸線の長さは183kmです。地中海沿岸(えんがん)の南には、レバノンとの国境(こっきょう)線であり、ヨルダン川源流(げんりゅう)でもあるアンチ・レバノン山脈などの山がく地帯があります。北東部にはユーフラテス川が流れ、となりの国イラクへ抜け、その先のペルシャ湾(わん)へと流れこみます。中部から東南部へと半砂漠(さばく)のシリア台地が広がり、イラク、ヨルダン、そして、さらに南のサウジアラビアへと続く広大なシリア砂漠へつながっています。最南たんにはゴラン高原があります。

ユーフラテス川
ユーフラテス川

国名の由来
 シリアという名前は、メソポタミアで栄えたアッシリア帝国(ていこく)に由来しています。

歴史と文化遺産(いさん)
 シリアは世界最古の国の一つであり、その歴史は紀元前3000年前までさかのぼります。

 古代より文明が栄えた場所であり、地理的重要性から、アジア、ヨーロッパ、アフリカ3大陸の交易(こうえき)のかなめであったため、文明の十字路として交流がさかんに行われ、高度な文化が発達しました。またそのために、長い歴史を通じてさまざまな帝国が支配(しはい)してきた国でもあることから、各時代の遺跡(いせき)が国中に散在(さんざい)しています。エジプトと同じく、世界中から各国の考古学チームが遺跡発くつのために調査(ちょうさ)におとずれ、今でも民家のゆか下から遺跡の一部が見つかることもあります。

 中部のパルミラ(タドミル)は、2世紀ごろ中国とヨーロッパを結(むす)ぶシルクロードの隊商都市として栄えたオアシス都市で、世界遺産に登録されている巨大(きょだい)な遺跡群(いせきぐん)があります。

パルミラの遺跡(いせき) 記念門
記念門

円形劇場(げきじょう)
円形劇場(げきじょう)
四面門と山上のアラブ城
四面門と山上のアラブ城

 今はビーチリゾートとしてはなやぐ地中海沿岸(えんがん)の町ウガリット(ラアス=ッシャムラ)は、紀元前15世紀ころに栄えた都市国家でした。ウガリット遺跡(いせき)では、アルファベットの原型とされるウガリット文字が彫(ほ)られたねん土板が発見されました。

 またマアルーラという町では、かつて預言者(よげんしゃ)イエスが話していた言語の一種と言われるアラム語が使われており、住民の大半がギリシャ・カトリック教徒です。

マルアーラの聖堂(せいどう)
マアルーラの聖堂(せいどう)

 イスラームの遺跡(いせき)では、同じく地中海沿岸(えんがん)の町ラタキア(ラーズィキーヤ)の北東にあるサラーフ=ッディーン(サラディーン)の城(じょう)さいや、建築的価値(かち)の高いダマスカスのウマイヤド・モスクが有名です。サラーフ=ッディーンは十字軍のしゅうげきからアラブ人を守ったイスラームの英ゆうで、ウマイヤド・モスクはウマイヤ朝時代、715年に建てられました。

ウマイヤド・モスク
ウマイヤド・モスク

 北西部の古都アレッポ(ハラブ)は世界遺産(いさん)になっています。そのシンボルであるアレッポ城(じょう)や、中東でも規模(きぼ)が大変大きいことでよく知られた市場(スーク)などがあり、あらゆる商品があります。アレッポは、現在(げんざい)、人が住んでいる最も古い都市とも言われています。

アレッポ城入り口
アレッポ城入り口

人々と暮(く)らし
 地中海沿岸(えんがん)とユーフラテス川流域(りゅういき)を中心にして農業がさかんで、小麦、綿花(めんか)、オリーブを栽培(さいばい)・輸出(ゆしゅつ)しています。シリアの綿(めん)はそのせんいの長さから、高級種の一つされています。またシリアの経済(けいざい)は石油生産によっても大きく支(ささ)えられており、石油と石油製品(せいひん)が輸出量の半分以上をしめています。

スーク・ハーミディエ(ダマスカス)
スーク・ハミディーエ(ダマスカス)

名産
 アレッポ(ハラブ)産「オリーブ石けん」はシリアの特産品の中でも最も有名です。良質(りょうしつ)なオリーブオイルは食用として体にいいだけではなく、保湿効果(ほしつこうか)やはだの活性(かっせい)をうながす成分が多くふくまれていることから、石けんとしても良質です。環境(かんきょう)にも、はだにもよい石けんで、体もかみの毛も洗(あら)えます。アレッポのオリーブ石けんは何千年も前から使われてきたと言われています。日本にもたくさん輸出(ゆしゅつ)されており、一見するとうすい茶色の四角いかたまりのようですが、切ると中はきれいな緑色をしています。

オリーブ石けん
オリーブ石けん
古い出窓(でまど)が残るアレッポの街
古い出窓(でまど)が残るアレッポの街

食べ物
 大きく分ければ、レバノン・パレスチナ・ヨルダン・シリアは昔から「シャーム」と呼(よ)ばれる一つの地方なので、食材や料理も共通のものが多くあります。その中で、シリアでもてなし料理として知られているのが、「クッベ」という肉料理です。羊のミンチにブルゴル(小麦を乾燥{かんそう}して細かくくだいたつぶ状{じょう}のもの)やこうしん料などを練りこみ、とっても大きなどんぐりのような形のおだんごにしてあげたものです。
 また「タッブーレ」というサラダがあり、パセリ、たまねぎ、トマト、ミントの葉、ブルゴルを合わせ、オリーブ油やレモン汁(じる)、塩コショウを混(ま)ぜていただきます。主食は、ふくらまさずに平たく焼いたホブズ(パン)です。内陸部のしめる割合(わりあい)が多いせいで、魚を食べる習慣(しゅうかん)はあまりないようです。

アラブの料理
アラブの料理

 シリアでは、カルダモン・スパイスの入った独特(どくとく)のかおりがするアラブコーヒーや、シャイ(紅茶{こうちゃ})、レバンというヨーグルトジュースをよく飲みます。また果物(くだもの)が豊富(ほうふ)でおいしく、町角ではしぼりたてジュースが売られています。














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