アラビア村                    はじめのページへ
アラビアもよう
アラビアン・ナイト


 ■アリババと40人のとうぞく 最終回

アリババと40人のとうぞく

 アラビア村の泉(いずみ)のそばには、色とりどりのお花が咲(さ)いています。どのお花も夏の朝日を受け、まるでほほえみ返すように、みな日差しの方に顔を向けています。ハキムおじいさんは、そのお花たちのおいしいミツを求めて集まるチョウチョや虫たちをながめています。そこに子どもたちが一人、また一人と集まってきました。



ラナちゃん
アッサラーム・アライクム、ハキムおじいさん。
カイファ・ハールカ?


ハキム
ワ・アライクム・アッサラーム、ラナ。
アナ・ビハイリン、アルハムドリッラー。


      ザキ
アッサラーム・アライクム、ハキムおじいさん。
カイファ・ハールカ?


ハキム
ワ・アライクム・アッサラーム、ザキ、翔(しょう)。
アナ・ビハイリン、アルハムドリッラー。やあ、彩(あや)も来たね。
サバーフルハイル、彩。
ワ・カイファ・ハールキ?


彩ちゃん
サバーフンヌール、ハキムおじいさん。
アナ・ビハイリン、アルハムドリッラー!


ハキム
彩もアラビア語がとっても上手になったね! たいしたものだ。


翔くん
ハキムおじいさん、今日はいよいよアリババのクライマックスなんでしょ?
ぼく、ずっとずっと楽しみにしていたんだ!


彩ちゃん
わたしも! アリババ一家はとうぞくの首領(しゅりょう)に家が見つかってしまったけど、どうなるんだろうってね。でもこの前出てきた召使(めしつか)いのマルジャーナが、また何か考えてくれるんじゃないか、って気がしてるんだけれど……。


ラナちゃん
彩ちゃん、いいカンしてるね。そのとおり、かの女、とってもかしこいのよ。


ザキくん
かしこいだけじゃなくって、女の子だけどとっても勇気があるんだ。


ハキム
みんなもう待ちきれないみたいだね。
じゃあ、そろそろ話の続きを聞かせようかな。
                


 すべてはとうぞくの首領(しゅりょう)がもくろんだとおりになりました。  その夜、アリババは首領を家に泊(と)めることにし、馬の背(せ)から壷(つぼ)を下ろす手伝いをして、こう言いました。
「もう夕飯の準備(じゅんび)ができていますから、どうぞ、中にお入りなさい。」

 首領は自分の好物を飲み食いしおわると、言いました。
「わたしは向こうに行って、馬に水を飲ませなければなりません。」

 納屋(なや)の中で、かれは壷のひとつひとつをめぐり、中にかくれている手下に話しかけて、こう言いました。
「もし、窓(まど)からおれが小鳥のさえずりのような口笛をふくのが聞こえたら、壷から出て来るのだ。その時おれは部屋から降(お)り、ここに来て、おまえたちがやるべきことを言おう。」
 そして、そっと納屋を出て、家の中にもどりました。

 その夜、マルジャーナが明かりに火をつけようとすると、ランプの油が切れていて火はすぐに消えてしまい、部屋は真っ暗になりました。それでかの女はどうしたら良いか分からず、ひとりごとを言いました。
「明日の朝、余分(よぶん)に油を買わなければいけない。今晩(こんばん)は、あの壷(つぼ)から、今夜使う分だけ少し油をもらってもかまわないかしらね。」

 こうして、一番手前の壷(つぼ)の方に向かうと、壷の中にかくれていた男がこうつぶやきました。「時間ですか?」かれは首領が来たと思ったのです。
 マルジャーナはおびえて飛び上がりましたが、それでも自分をおさえ、低い声でこう言いました。
「いやいや、まだだ。もう少し待て。」

 それから二番目、三番目……と次々と壷の方へ向かうたびに、かくれている男たちが「時間ですか。」とつぶやくので、マルジャーナは「いやいや、まだだ。もう少し待て。」と答えました。



 最後の壷(つぼ)の中には油が入っていたので、かの女はその油でランプを満たしました。
 それからある考えを思いついたので、じゅうぶんに油をとり、それを火の上で熱しました。
 そして壷へと向かって行き、熱した油をその一つ一つに流し込んだのです。
 こうして、とうぞくたちは最期(さいご)をむかえたのでした。
 とうぞくの首領(しゅりょう)が夜のやみの中を部屋から降(お)りてくると、手下はみなすでにこの世に別れを告げていました。それでかれはとてもおどろき、急いで馬の背(せ)に飛び乗って、にげて行きました。

 翌朝(よくあさ)、マルジャーナはアリババにすべてのいきさつを知らせました。またその時、白や赤の印の話も忘(わす)れずに伝えました。アリババはかの女がしたことに感謝(かんしゃ)し、その行いを決して忘れない、と言いました。それから、家の使用人たちに命じて森に大きな穴(あな)をほらせ、その夜、とうぞくたちの死体をその穴の中にうめました。

 その後、とうぞくの首領(しゅりょう)は自分がひとりになったことをさとり、こう言いました。
「大きな店を買って、どうくつの絹織物(きぬおりもの)や宝石(ほうせき)をみなそこに置くことにしよう。そうすればそれを売って、これからは安楽に暮(く)らせるだろう。」
 かれはその考えを実行し、店を買いました。すると、通りかかる人たちはみな、「なんとすばらしい店なのだろう!」と言いました。

 ある日、アリババの息子(むすこ)はとうぞくの首領に会いました。二人の店はとなりどうしだったのです。そこでアリババは、自分の家に夕飯を食べにくるようにかれを家に招(まね)きました。
 かれはもう首領の顔を覚えておらず、以前かれに会ったことも思い出せなかったのです。しかし、マルジャーナはかれが家に入ってくるのを見て疑(うたが)いを持ち、ひとりごとを言いました。
「あの男は、確(たし)か前にここに立ち寄(よ)ったことがある。かれはわたしたちに悪事をたくらんでいるようだわ。かれとかれの悪事からここを守らなければ。」

 そこで、アリババのところに行って言いました。
「夕食が終わった後で、みなさんにおどりを披露(ひろう)してもよろしいですか?」
 アリババはその考えを喜びました。そして食事が終わるのを待って、マルジャーナはかれらの部屋に入って行き、すばらしいおどりを披露しました。

 やがておどり終わると、かの女はその中にお金を入れてもらおうと、手にコップをもってそこにいる人々のところをめぐりました。
 アリババはコップの中にいくらかのお金を入れ、かれの息子(むすこ)も同じようにしました。
 そして、マルジャーナが首領(しゅりょう)の方にかがみこむと、かれはコップの方に手をのばし、その中にお金を投げこみました。その時マルジャーナには、かれの服の中にある短剣(たんけん)が見えたのです。

 するとマルジャーナはいなずまのような速さで首領に突進(とっしん)し、かれから短剣を奪(うば)い取って、かれの胸(むね)につきさしました。それでかれはすぐにこの世を去りました。



 それを見てアリババは飛び上がり、さけびました。
「マルジャーナ! 何をするのだ?!」
 すると、かの女はこう言いました。
「もしわたしがこうしなければ、この男はお二人を殺したことでしょう。かれこそ、油の壷(つぼ)を持って来て、以前ここに泊(と)まったとうぞくの首領なのです。ご主人様、覚えていらっしゃいますか?」

 そしてアリババは、マルジャーナがしたことが正しかったと知り、こう言いました。
「おまえは何というすばらしい娘(むすめ)なのだ。わたしは本当におまえのことが気に入った。息子(むすこ)がおまえといっしょになってくれるなら、こんな幸せなことはない!」

 こうして、マルジャーナはアリババの息子と結婚(けっこん)しました。首領の財宝(ざいほう)も店も、アリババと家族のものになりました。しかしアリババはそのお金のほとんどを、貧(まず)しい人や困(こま)っている人に分けあたえました。そしてそれからみなは楽しく、幸福に、そして裕福(ゆうふく)に暮(く)らしたのでした。
                


ハキム
おしまい、おしまい。


翔くん
ああ、良かったね! アリババはとうぞくたちのお金を、困(こま)っている人たちに分けたんですね。


彩ちゃん
アリババの息子(むすこ)も、マルジャーナみたいなすてきな人と結婚(けっこん)して、幸せになったでしょうね。マルジャーナは本当に勇気があるし、主人やその家族のことをとっても大事に思っていたんですもの。


ザキくん
ハキムおじいさん、ぜひまたいろいろなお話を聞かせてくださいね。


      

 ラナ
シュクラン・ジャズィーラン、ハキムおじいさん!


ハキム
アフワン(どういたしまして)!
そんなに喜んでくれて、わしもうれしいよ。また今度みんなでいろんなことを話そうじゃないか、インシャーアッラー。


      

 ラナ   ザキ
インシャーアッラー、アッサラーム・アライクム。


ハキム
ワ・アライクム・アッサラーム。
みんな気をつけて帰るんだよ。

ページのうえへ

アラブのどうわ マンガコーナー なんだろう ハキムとこどもたち まほうのじゅうたん こどものうた とうじょうじんぶつ しつもん とうじょうじんぶつ こどものうた まほうのじゅうたん ハキムとこどもたち なんだろう? アラブのどうわ マンガコーナー こどものうた Copyright アラブ イスラーム学院 2006年 All Rights Reserved. マンガコーナー なんだろう ハキムとこどもたち まほうのじゅうたん こどものうた とうじょうじんぶつ しつもん


アラビア村バナー

アラブのどうわ マンガコーナー なんだろう? ハキムとこどもたち まほうのじゅうたん こどものうた とうじょうじんぶつ しつもん